天気の子

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映画[天気の子]を観てきました。前回の[君の名は。]を見たときはモヤモヤしたまま劇場を後にしたのですが、今作は見終えた後に[言の葉の庭]までの新海誠が戻ってきたような感じがして見ごたえがありました。以下若干ネタバレを含む感想になります。

 

良かった点は雨の描写の美しさやRADWIMPSなどのBGMの挿入が、前作よりも自然に映像と浸透してる感じがありました。前作の「君の名は。]はRADWIMPSの曲がガンガンかかって来る感じがあってRADWIMPSのミュージックビデオを見てるようでキャラに感情移入しづらかったのですが、今作はRADWIMPS三浦透子さんのグランドエスケープの曲などが映像に上手く合わさってより映像の美しさをより引き立てていて感動しました。

一番印象に残ったのは100%の晴れ女と呼ばれる天野陽菜が滝のような大雨の中を晴れの天気に変えるシーンで、陽菜をバックに太陽の光が輝くシーンは圧巻で人々の表情が天気に変わる事で皆晴れやかになるシーンが印象的でした。

新海誠監督の作品は東京を舞台にした映画を多く制作されてて実写で見るよりも東京が美しく見える魔法のようなものをかけている印象なんですが、クリエーターの立場で見るとここまで作りこむのは至難の業で作品に描ける執念のようなものを感じます。

 

逆に悪かった点は前作の[君の名は。]が大ヒットして多くのスポンサーがついた事で、食事のシーンに関しても日清のどん兵衛カップヌードル、カレーメシ、ローソンのからあげクンなど様々なスポンサーの商品を食べてるのが企業のCMを見せられている感じで違和感がありました。

食事のシーンというのはキャラの印象を表す重要な点ですが、今作はスポンサーの要望を多く取り入れた事で各キャラの食事の好みなどに関係なくCMとして使われていたのでキャラに感情移入しづらい感じがありました。

ただ新海誠監督もそれをあまりよく思ってなかったのかスポンサーの商品を映画のワンシーンで登場させるものの、商品に対してあまり良い印象を与えない、スポンサーのいいなりにはならない感じがあって結構冒険してるなぁと思って見てて面白かったです。

 

前作の[君の名は。]の大ヒットから今作の[天気の子]にかけて、鑑賞前は前作と同様にまたRADWIPSを使われてたり、前作のキャラを出してたりと売れる為の保険をかけているようで正直観るのを躊躇っていました。

しかし[天気の子]を観て拳銃の発砲やラブホテルのシーン、主人公含むキャラの多くが犯罪を犯すなど一般大衆向きとはいえないような作品を次回作として持ってきたことは、クリエーターとしてすごく挑戦してる感じがあって[君の名は。]の新海誠監督のイメージを覆していく姿勢は見ていて面白いなと思いました。

冒頭でも書きましたが自分の中にあった新海誠監督が戻ってきた感じがあって、今後どういった映画を作っていくのか楽しみです。